切って綴って繕って。

発達障害持ちの悪足掻き。手芸とか絵とかゲーム話とかも。セクマイ話とか。

娯楽と過敏。

 

先日、弟が友人に連れられてバンドのライブに行くことになったと聞いた。

弟は音楽の好みこそロキノンからヴィジュアル系からその他色々聞くのだけれど(ヴィジュアル系に関しては私が聞いてた影響もある)、ライブに一度も行ったことが無い。

ライブハウスなりなんなりそういう場所に行きやすい土地にいたこともあるのに、行ったことはないらしい。

元々インドア趣味が基本の弟なのでそれをあれこれと言うつもりはないし、CDというか音源の方を好む人は割といるので、それにも突っ込む気はなく。

 

ただただ、私が「羨ましい!」とじたばたしているだけのアレだったりする。

 

聴覚過敏を持つ私が、だ。

 

一般的に聴覚過敏と聞くと、大きな音を嫌うイメージだろうし、だいたいは大きな音で無くとも個々のしんどい音があり、それでゴリゴリと体力も精神力も奪われていくのが常だ。

正直、ショッピングモールに行くときは体力が多少ある日でも短時間で全てを持って行かれ、寝込むレベルで苦手である。

 

しかし、私は一時期行ける時は好きなバンドのライブに行っていた、バンギャの端くれで。

とはいえ発達障害と二次障害持ちなので、他のバンギャ仲間のようにツアーが発表されれば遠征であちこち飛び回る、そういう所までは出来なかったけれどもライブやライブハウスに行くことは大切な娯楽だった。

 

とはいえ、これも私の場合である。

友人の中にも発達障害者がいるので「どうよ?」と聞いてみると、やはりライブハウス等の音は様々混ざっていたり、大きかったり、予期せぬ音が入ったりするので苦手という人もいた。

結構、「この系統の音がダメ」とか、「この音域がしんどい」とか聴覚過敏も様々なんだなあと思う日々だったりするし、私も自覚してからかなり経っている今でも「あ、この音苦手か……?」とか気付くことが多い。

世の中の音が全部脳に持ち込まれるからね。仕方ないね。

 

正直、私もライブに行くのは翌日寝込む可能性を頭に入れて行っていた。

寝込むなら行くなよ、と言われそうではあるけれどこれが貴重な時間だったりする。

普段浴びない程の楽器の音や歓声、その場の熱気に「酔える」心地良い時間だったりするからだ。

好きな音に溺れられる、というか。

好きな音と世界に溺れて酔って、音に合わせて動ける時間は過敏があっても「楽しい」ものには違いなかった。

 

聴覚過敏対策によく耳栓が話題に上るけれど、「自分の好きな音」を把握しておいたり、そういう音で他の音の不快感を誤魔化す手法もある。

なので、娯楽ついでに苦手な音だけではなく、好きな音を探すのもいいんじゃないかなあ。(CDの沢山入った棚を漁りながら)