当事者向けと、定型向けと。(NHKの番組観ながら)
NHKが発達障害者についての特集をあちこちの番組でやっていたので、当事者としてはやっぱり気になるので色々観てました。
常日頃から情報を収集しているわけではないので、今になって気付いたこととかもあるんですが。(過剰適応とかそういうの。人の中に居るときに感じる疲労はこれか!とか)
とはいえ、やはりこう……その番組は「当事者向け100%」ではないんだなあと。まず「発達障害とは何か」みたいな基礎情報の紹介から入りますからね。
でも、よくよく考えたらそれが当たり前だ。
今の社会は定型発達の人が生きやすいシステムだし、割合的にも多いのはそっち側なので発達障害を一切知らない人は何も知らなくて。
もうそれこそ、ADHDにしろASD、LDについてなんとなくでさえ知らない。
でもそれって、逆に私が他の事柄について知らないことと変わらないなって。
それは例えば職業だとかに限らず、他の障害とか病気についても「身近な人で該当する人」がいなければ分からないものだと思うし、それは発達障害も定型発達も変わらないんですよね。
だからこそ、色んな時間帯で、色んな番組で紹介されるだけありがたいのかなあと。
見た目で分かるものではないからこそ、特に。
正直、こういう番組で発達障害の「能力」にばかり注目されてしまうのも不安にはなるんですけどね。
それを「能力」と考えられるかは分からないですし、「能力」に過剰期待をする親や家族、学校、社会が出来上がってしまうこともありうるので。
(実際、その辺の厄介な話は発達障害という存在が浸透していく度に何度か出てくる)
でも、飛び抜けた能力がない人もいることをちゃんとフォローしてくれる辺り、やっぱりNHKさんのいいところだなあって。
当事者は、成人していたり自分であれこれ情報収集出来るようになれば自分で情報集めたり対策したりしますからそれなりに知識も頭に入っておりますが、関わって来なかった人からすると「え~、そんなん怠けとどう違うのよ~」とかの認識からなかなか変わらないものでしょうし。
いや、こっちは生きる難易度がノーマルでもイージーでもないんだよ!ハードモードなんだよナイトメアなんだよ!というのがなかなか伝わらないのはまあ仕方ないっちゃあ仕方ないんでしょうね。
それに、定型発達だからって生きやすい世の中かと言われればどうなんだろうねえと言わざるを得ないと言いますか……ねえ?
ただ、色んな番組を観ていて思ったのが、「少しだけほっとした」っていう、小さいけどポジティブな感想で。
小さいうちから発達障害について向き合えるのなら、二次障害に苦しむ確率も減るかもしれない。今の成人済み発達障害者で苦しんでる人の場合、私のように寧ろ二次障害が深刻なんじゃが、っていうパターンもありますから。
だから、今後がどうなるかはわからなくとも、とりあえず受け皿が広がりつつある、少しだけでも、広がってるっていうのが嬉しくて。
自分がその受け皿に入れなかったことは時代的に仕方ないことだし、それはそれで時代が流れてるんだなってことなので。
とはいえ、こうして色々と後に続く発達障害の後輩的な存在を見ると、「自分に出来る悪あがきはやろう」ってなりますね。
二次障害とかまあ色々あるんですけど、生きて存在することが「ここに自分達がいる」っていう証明なので。